2015年11月23日月曜日

おもかげ

雨が振って来た
雨が降って来て
傘を持たず
急に着ていたシャツを頭に掲げて
急ぎもせず
凛と歩く
あの子は今頃何をしているんだろうか、とか
そういえばここをよく通ったっけ、とか
黙々と
目に映るものを
うそともほんとうとも受け止めず
流れて行くものを、ただそのままに
雨とともに身体にしみ込ませ
忍び込んだ怪しげな想いは
いつしか宙へと
浮かんで消えるような
ここにとどまるような
よくわからないもやもやが
頭に掲げた濡れたシャツから
湯気になって出て
ここはもう秋の中心軸から少しずれて
悲しくはないんだけれど
悲しくなくはないような
恋しくはないんだけれど
恋しくなくはないような
よくわからないけれど
雨に濡れて
傘も持たず
そんなことだけを思って

あ、あの子が通った

と、思ったりして

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