夜遅くにストーブがぼぉーっと鈍い音を立てている
私は静かに目を閉じる
娘に「今日のコロッケ、パサパサしてなかったか。」と聞くと
娘は「母さんとくらべないでよ。」と笑う
娘が出かけるときに、「送ろうか。」と言うと
娘は「そこまでだから歩く、いい。」と断る
娘の恋人ができたらしいことを妻から聞き
「会ったのか。」とすましてたずねてみる
妻が「きになるの?」と笑うと
黙って「んんん。」とうそぶく
娘が欲しかった、と思えば、
私がいるじゃないの、と妻が言い
お前はいるけど、お前じゃなくて、と言い返せば
私がいなければ何もできない子供のくせに、と言い返され
ふと、そんなことを、ストーブの赤いチラチラを見ながら
夜遅くに一人で考えたりする
私には娘も妻もいない
会い出しもせぬ娘に会ったとき
私は何を言うのだろう
そんなことをふと考えながら、
また赤いチラチラを見ながらぼんやりとする
ストーブが鈍い、ぼぉーっと言う音を立てている
私をけして、一人にしないように
私をけして、邪魔しないように
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